全てを見せてね

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彼女との出会いはなんてことはありません。田舎の同じ高校の同級生でした。そして、友達の彼女でもありました。ただただ、可愛いなあ、とは思っていましたが、それほどのめり込む、といったわけではなく、学年に何人もいる可愛い女の子のうちの一人、という印象です。

二年生になって、同じクラスになりました。印象もそんなに変わりませんでしたが、少し話してみた感じで相性は悪くないと思いました。ただ、彼女は僕の友達の彼女であって、僕は僕で当時、交際していた女の子がいました。友達と僕の彼女を裏切るわけにもいかないので、
そのまま二年間をただのクラスメイトとして過ごしました。だけど互いに意識はしていたと思います。

卒業文集で彼女は、気になった人の欄に僕の名前を挙げていて、僕は僕で、彼女の名前を挙げていました。そして僕の卒業アルバムの最後のページに彼女は「いつか○○くんの全てを見せてね」と寄せ書きをくれました。

それから更に二年後、上京して大学生になった僕に見知らぬ名前からmixiでメッセージが寄せられていました。それは彼女でした。どうもずっと僕の日記を覗き見していたらしく、
「ファンです!」と別に有名人でもない僕に打ち明けてきました。

それからしばらくして、僕は失恋し、彼女も同じ様なタイミングで当時付き合っていた人と別れたようでした。僕は腹を決めました。会おう!と彼女と連絡をとって、東京から6時間かけて地元に戻り、ドライブしました。もちろん二人で遊ぶのはこれが初めてでした。

だけど、ぎこちなさはまるっきりなく、これまでずっと付き合ってきたかのような心地よさでした。思えば高校時代からずっとお互いを意識してきたのです。当然といえば当然かもしれません。それからしばらくして、僕たちは結ばれました。彼女が僕の卒業アルバムに書いてくれたことは、現実になりました。

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